旬をたのしむ

地中海地方の料理におなじみのハーブの一つが「バジル」です。インドや熱帯アジアを原産とするシソ科・メボウキ属の多年草で、紀元前2000年頃にヨーロッパへともたらされ、日本へは江戸時代に入ってきました。その香りには殺菌作用や消化促進作用があり、古くから薬草としても利用されています。
日本で「バジル」といえば、ポピュラーなのは次の2種。
スイートバジル
イタリア料理をはじめとする欧米料理に使われる、甘みのある爽やかな香りが特徴。日本では春から梅雨の頃に種まき。7〜10月ごろに旬を迎える、育てやすいハーブとしても知られます。
ホーリーバジル
タイ料理のガパオライス入れるのがホーリーバジル。インドの伝統医学であるアーユルヴェーダでは、不老不死の霊薬として親しまれてきました。フルーティな強い香りが特徴です。
香り高いハーブ「バジル」をたのしむ
今回は、今の時期に旬を迎える「スイートバジル」を使い、自家製バジルペースト(イタリア語で「ペスト・アッラ・ジェノヴェーゼ」)をつくります。
レシピは、クラシカルなニンニクやチーズでつくる本場のものではなく、使用する料理やお好みで味付けをしてもらえるように、新鮮なバジルと家の常備品でできるような手軽なペーストです。つくりたてだからこその、とびきりの風味が広がります。
おいしさのポイントは、できるだけフレッシュなバジルを使うこと。そして、おいしいオリーブオイルで空気に触れないよう“フタ”をして、なるべく早くに使い切ることです。たくさんバジルが収穫できたときなどに、どうぞたのしんでみてくだい。
「自家製ジェノヴェーゼ」のつくり方
- 木や大理石などでできたイタリアのすり鉢。もちろん、日本のすり鉢でつくってもおいしく仕上がる
「ペスト・アッラ・ジェノヴェーゼ」の「ペスト」は、イタリア語で「砕いたり、すりつぶしたもの」を意味します。そのため、バジルのおいしさを最大限に引き出すなら、昔ながらの「すり鉢」でするのがおすすめ。少し骨は折れますが、ミキサーなどとは違い熱が入らないので、素材そのものの風味がより活きた味わいに仕上がるのです。
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材料
- スイートバジル200g
- パセリ20g
- 煎った松の実
(アーモンドやヘーゼルナッツなど、
お好みのナッツで代用可)大さじ1 - オリーブオイルひたひた
- 塩(粗塩)適量
用意する道具
- すり鉢
- 保存用の容器
- ラップ(保存瓶に入れる場合は不要)
- Tips
- バジルを洗うと香りが飛んでしまうため、あまり洗いすぎない。洗うなら、しっかり水気を拭いておく。
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つくり方
- 煎って色づいた松の実を擦る。(フライパンなどで空煎りをする。香ばしい香りがでて、色づけばOK)
- 茎から葉をとり、手で細かくちぎったバジル、パセリを1、粗塩を加えて擦る。
- ペースト状になった2を保存容器に入れ、オリーブオイルをひたひたになるよう注ぐ。
- Tips
- 葉物はちぎっておくと早くペーストになる。今回は、すり鉢なので粗塩だが、ミキサーの場合は、細かい塩を選ぶのがポイント。
レシピに使用したアイテム
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- DEAN & DELUCA/
トスカーナ産オリーブオイル -
オリーブオイル選びに迷ったら、まずはこの一本を。良質なオリーブオイルの産地、イタリア・トスカーナ産のオリーブ3品種をオリジナルでブレンドした、ノンフィルタータイプのエキストラバージンオリーブオイルです。程よいフルーティさと濃厚なオリーブの風味があり、幅広いお料理にお使いいただけます。
- DEAN & DELUCA/
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- おすすめのジェノヴェーゼペースト
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左)ヴェンチュリーノ|ジェノベーゼペースト
バジル、松の実、チーズ、にんにくが香る、クセになるペーストです。茹でたパスタにそのまま絡めるだけで、風味豊かなジェノヴェーゼパスタの完成。
右)DEAN & DELUCA|国産バジルのジェノヴェーゼ
大分県産のバジルに、松の実やロディジャーノチーズを加えたシンプルなペーストです。オイルで伸ばしてパスタソースとして。