旬をたのしむ
口に含むと爽やかな辛味と柑橘類のような香りが豊かに広がる「山椒」。日本人にとって、うなぎの蒲焼の薬味や佃煮、煮魚のアクセントにと、なじみ深い存在です。料理を始め、漢方薬にも使われるなど、その歴史はかなり古く、縄文時代にまでさかのぼる日本最古のハーブです。
葉、花、実、木の皮、全てが薬味になる山椒。今回は、5〜7月はじめに旬を迎える「実」のたのしみをお届けします。
実山椒をたのしむ
生の実山椒はスーパーなどでも手に入りますが、旬が短いため、見かけたら買い時です。購入後はなるべく早く下処理をして、アク抜きをします。
アクを抜いたら、塩や醤油で漬けると、1年間ほど冷蔵保存がききます。また、ラップや密閉できる袋などに入れ、しっかり空気を抜いてから冷凍保存しても。
細かな枝を取り除くのは少々骨が折れますが、じぶん好みの辛さや調味料で仕上げた実山椒は格別。この時期ならではの爽やかな香りに包まれながら、どうぞおたのしみください。
下処理(アク抜き)
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用意する道具
- ざる
- 鍋
- ボウル
- さらし
(もしくはクッキングペーパー)
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手順
- 鍋に沸かしたたっぷりのお湯に塩を多めに入れ(目安は、お湯2カップに塩小さじ2)、実山椒を枝付きのまま入れる。
- 実が、指で押して潰せるぐらいの硬さになったらザルなどにあける。
- 流水で荒熱をとり、ボウルなどで水にさらす。さらす時間は、だいたい30分〜数時間程度。長くなるほど辛みが穏やかになるので、お好みで調整を。
- さらしやクッキングペーパーなどで水気をしっかりとり、枝を取り除く。実についている2〜3mm程度の軸はそのままでもよい。
塩漬け
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用意する道具
- 保存瓶
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手順
- 煮沸消毒した瓶などに、下処理した実山椒を適量入れる。
- お好みの塩を入れ、全体になじませる。
今回使用した塩
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- おくだ荘/井田塩
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日本一透明な海水と天然の薪でつくられる塩
富士山の恵みが川となり直接流れ込む駿河湾。その内陸にある井田海岸は日本一の透明度を誇ります。人口40人足らず、手つかずの自然に囲まれた井田地区で、海水を煮詰めてつくられる塩。シンプルに思われるこの製法も、天然の薪を一つひとつ割って焚べ、13時間もの間、微妙な温度調節をおこないつづけてつくられる塩はわずか3kg。井田の海を映すかのようにクリアで雑味がなく、優しいながらも存在感を残し、素材の味を引き立てます。
醤油漬け
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用意する道具
- 保存瓶
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手順
- 煮沸消毒した瓶などに、下処理した実山椒を適量入れる。
- お好みの醤油を、実が浸るくらい入れる。
今回使用した醤油
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- 佐々長醸造/岩手名産 生醤油
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岩手県産の材料を使い、じっくり熟成させた濃口醤油。遺伝子組み換えを行っていない岩手の丸大豆のみを使用し、無添加で仕上げている。雑味のない濃厚な味わい。
オリーブオイル漬け
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用意する道具
- 保存瓶
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手順
- 煮沸消毒した瓶などに、下処理した実山椒を適量入れる。
- お好みのオリーブオイルを、実が浸るくらい入れる。1日ほど冷蔵庫で冷やして保存し、オイルに香りがうつったら召し上がれ。
今回使用したアイテム
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- DEAN & DELUCA/
トスカーナ -
オリーブオイル選びに迷ったら、まずはこの一本。良質なオリーブの産地であるトスカーナの3品種をバランスよくブレンドしたエクストラバージンオリーブオイル。程よいフルーティーさとリッチな味わいで、幅広いお料理に合う。
- DEAN & DELUCA/
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- DEAN & DELUCA/
ガラス密閉パック&レンジ 110ml -
中身が見え、保存や下準備に重宝するガラス製のジャー。厚手のガラスは頑丈で、繰り返し使える。そのまま食卓へ出せるので、日々の食事やおもてなしにも。
- DEAN & DELUCA/