旬をたのしむ
それぞれの季節に食べたくなるものがあります。旬の食材はもちろん、気温や空気の変化、街の気分などで、思わず求めてしまう味。
今回は、季節の深まりと共に恋しくなる「カボチャ」です。
世界で秋のカボチャといえばハロウィン。10月31日には、魔女やカボチャ、ガイコツなどに扮した子どもたちが「Trick or Treat!(お菓子をくれないとイタズラをするぞ)」と言いながら街を練り歩きます。
今ではたのしい行事といったイメージのハロウィンですが、そもそもは、秋の収穫を祝い、先祖の霊をお迎えする祭事です。起源は、古代ケルト民族の宗教的儀式。先祖の霊と共にやってくる悪霊を驚かして追い払うために仮装をしたり、先祖の霊が迷わないようにカボチャなどをランタンにしたのだとか。
世界のハロウィン料理
季節の行事や祭事といえば、食べ物とのつながりが深いのも特徴です。ハロウィンでも、地域で愛される家庭料理などが食べられています。
コルカノン
ハロウィン発祥とされるアイルランドでは、郷土料理の「コルカノン」が定番メニューです。マッシュしたジャガイモに、キャベツやケール、ベーコンを加え、ミルクやバターで味付け。家庭それぞれに伝わるレシピがあります。
マカロニチーズ
アメリカでは、茹でたマカロニにチーズを絡めてオーブンで焼き上げた「マカロニチーズ」を食べる家庭も多いのだとか。子どもも大人も大好きな、いわゆるお袋の味です。
カボチャ料理
ほっくりとした食感とやさしい甘味のカボチャ。ジャック・オ・ランタンのイメージもあり、スープやグラタン、パンプキンパイなどが、アメリカを始めとする世界各地で親しまれています。
カボチャのきほん
日本でも、ハロウィンの時期といえばカボチャのメニューが人気です。蒸したり、焼いたり、煮たり。また、甘くも塩っぱくも味付けられるなど、様々なレシピに活用できるのもうれしいところ。そのきほんを知って、よりおいしくたのしみましょう。
■日本で出会える品種と特徴
国内では、日本カボチャ、西洋カボチャ、種子も食用とするペポカボチャの3種類がたのしめます。
■栄養素
肌や粘膜を保護し、免疫力アップにはたらくビタミンAがたっぷり。血行を促すビタミンE、抗酸化作用が期待できるビタミンCなども多いのが特徴です。
■調理のヒント
ペーストのような舌ざわりの日本カボチャは、薄味の煮物や炊き込みごはんなど、やはり和食によく合います。一方で、西洋カボチャは、ほっくりとした食感が特徴。料理はもちろん、お菓子づくりにもおすすめです。
■選び方と保存方法
なるべく、ずっしりと重いものを選びましょう。カットされたものなら、切り口の色が濃いものを選びます。また、カットしてから時間がたつと種が沈んでくるので、種がきれいにそろっているものを選びましょう。丸ごと購入する場合は、へたの周りが凹んでいるものを。へたが枯れてコルク化している状態で、これは完熟の証です。保存する場合は、種とわたを取り除くと長持ちします。
RECIPE
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- 3種のチーズとカボチャのリゾット
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火を入れるとほっくり甘みの増す秋のカボチャに、相性のよい3種のハードチーズを加えた満足度の高いリゾットです。
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- パンプキンとサルシッチャとナッツのフォルナチェッレ
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豚肉のサルシッチャ(ソーセージ)入りのパスタソースを活用した一皿。カボチャの甘味がショートパスタによく絡みます。
ふだん、何気なくたのしんでいる季節の行事。その頃によく食べられている料理や食材に注目してみると、世界がちょっと広がるかもしれません。