旬をたのしむ
世界各地には、その土地の歴史や風土から生まれ、永く愛される「おいしい」があります。その一つが、個性豊かな伝統菓子。ほっと一息はもちろん、目覚めの一口や夕食後のリラックスタイムに。日々を彩る“おたのしみ”でもあるお菓子とともに、世界を巡りませんか?
世界の伝統的なホリデースイーツ
今回は、街も人の心も浮き立ち、華やかに輝くホリデーシーズンの伝統菓子をご紹介します。欧米では、この時期に、それぞれの伝統にちなんだお菓子を用意します。
クリスマスモチーフのクッキーや紅茶、“子孫繁栄”の意味をもつナッツやフルーツたっぷりの焼き菓子、“幸せ”や“健康”を祈り占う縁起菓子、神々の生誕を祝う宗教菓子など。これらは、一つひとつが意味や由来をもった“特別”なおいしいおたのしみ。
「今年も無事に過ごせました。来年も、どうぞよろしく」。感謝の気持ちとともに、一緒に囲むテーブルで、または贈りもので。
パネトーネ
みんなで切り分けるイタリアのクリスマスケーキ
パネトーネ菌という独自の天然酵母を使用した、イタリア・ミラノの伝統発酵菓子で、クリスマスが近づくアドベント期間に食べます。専門店がつくる「パネトーネ」の中には、約1kgもあるものも。ふわふわの生地を家族や友人と切り分けて、おいしさを分かち合います。
パン・デピス
たっぷりのスパイスと蜂蜜が香るパン菓子
小麦粉に、シナモン、ジンジャー、クローブ、スターアニスなどのスパイスと蜂蜜をふんだんに混ぜ、牛乳を加えてしっとりと焼き上げる「パン・デピス」。「スパイスのパン」という意味をもつ、シンプルなフランスのクリスマス菓子です。スライスして、アドベント期間に少しずつたのしみます。
ノネット
フランスのクリスマスに欠かせないお菓子
パン・デピスの生地をベースに、中にマーマレードなどのジャムや蜂蜜を詰めたのが、ブルゴーニュの伝統菓子「ノネット」です。中世のころから主に修道院でつくられており、乗合馬車で移動する旅人に販売。旅人が、それぞれの家に持ち帰ったことで全国に広まっていったそうです。
シュトーレン、バウムクーヘン
素朴だけど特別なドイツの味
クリスマスを待ちわびながら、アドベント期間に毎日ひと切れずつ味わう「シュトーレン」は、ドイツのパン菓子です。小麦粉の生地に、ドライフルーツやナッツなどをふんだんに入れ、焼き上げたらすましバターに浸し、表面にはグラニュー糖と粉砂糖で雪化粧。日が経つごとに味がなじみ、おいしさが増していきます。
また、ドイツ発祥の「バウムクーヘン」も、ホリデーシーズンや結婚式などの特別なときに味わうお菓子なのだとか。諸説ありますが、1800年ごろに誕生。ベイキングパウダーは使わず、油脂はバターのみ。専用のオーブンで一層ずつ焼き上げるなど、職人の腕とこだわりの詰まった焼き菓子です。
ベラベッカ
果実とナッツの濃厚な味わい
アルザス地方の言葉で「洋梨のパン」を意味する、ホリデーシーズンに味わう焼き菓子のひとつ。ドライフルーツとナッツをぎっしり詰め込み、クローブ、シナモン、スターアニス、ブラックペッパー、カルダモンなどのスパイスを入れた芳醇な生地をつなぎにして焼き上げます。スライスしていただくと、濃厚な果実とナッツの食感がたのしめる、満足感のあるお菓子です。
「伝統菓子」はつまり、地域で愛され続ける、丁寧につくられたお菓子。寒さも厳しくなるホリデーシーズンの欧米では、家で過ごす時間をより豊かにしようと、菓子店やベーカリーが考えた結果、このようなおいしい伝統菓子が数多く生まれたのでしょう。
DEAN & DELUCAでたのしむ焼き菓子
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