食後の芳醇な余韻

デザートワインは、文字通り、ワインそのものが甘美なデザートになります。ですから、ゆっくりと、その美しい色と芳醇な香りをたのしみたいもの。

もちろん、ほかにデザートを用意しても構いません。デザートワインとデザートを合わせるときに大切なのは、デザートワインの甘さと香りを活かすため、ワインよりも甘いデザートを選ばないことです。

酸味を残した果物のコンポートや、少し苦みのある焼き菓子、塩のきいたブルーチーズなどがよく合います。たとえば、古くからたのしまれている組み合わせとして、イタリアのトスカーナでは「ヴィン・サント」という白ワインにカントゥッチ（ビスコッティー）というビスケットを浸して食したり、フランスのワイン「ソーテルヌ」とブルーチーズのロックフォールを合わせたり。魅力的な味わいがあります。

デザートワインには、飲むだけではない、もう一つのたのしみ方があります。それは「アンビベ」すること。アンビベとは、正確には「アンビバージュ」といい、焼き上がったお菓子の生地にシロップなどの液体を塗り、染み込ませることです。

デザートワインでアンビベすれば、素朴なケーキが香りと甘さを手に入れて、芳醇なケーキに生まれ変わります。お気に入りのデザートワインがあれば、すぐに自分好みのデザートができるというわけです。まずは、シンプルなパウンドケーキで試してみてはいかがでしょう。