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出汁を味わう -焼きあごとかつお出汁

2020.08.03
焼きあごとかつお出汁

たとえば、お味噌汁。お椀に顔を近づけて、ふわりと鼻を抜ける出汁の香りに、ほっとした経験はありませんか。それぐらい、出汁は、日本の食生活になじみ深いものといっても過言ではありません。

 

日本には、100を超える出汁の種類があるそうです。かつお節やさば節などの節類、昆布、煮干し、焼あご、きのこ、干しえびや貝類など。

縄文時代に魚介類などを煮て食べていた頃、煮汁まで食べていたのを起源に、地域や料理に合わせて使い分けられてきました。

パック出汁や顆粒出汁など、便利なものもあるいま。「出汁をとる」と聞くと、大変に感じるかたもいるかもしれません。しかし日本の出汁は、素材に合わせて、水につけたり数分ほど加熱したりと、素材のよさをさっと引き出すのが基本。とてもシンプルな調理方法です。

出汁は、お味噌汁や煮物などに使う日々の調味料ですから、お好みのものを好きなように味わうのがいちばん。どうぞ、自分のベターを見つけてみてください。


「焼あご」を知っていますか

DEAN & DELUCAでご紹介している出汁の一つが、長崎・平戸の「焼あご」です。地元では、かつお出汁と合わせてお雑煮に使われます。特有のコクと、香ばしい香り、すっきり感が特徴で、ほかの素材との相乗効果で旨味が増します。地元の人にとっては、年末になると買い求める郷土の味なのだとか。

港町である平戸では、今も昔ながらの製法が守られています。それは、漁獲したあごを、その日のうちに炭火焼きにし、天日に干す「焼干し」。獲れたてのそのままを串刺しにして、炭火で焼いてと、全て手仕事です。しかも、一年のうち、9月中旬からひと月半に、平戸で獲れた10〜20cmほどの成魚になりたてのものしか使わないという季節仕事。つくり手の皆さんは、一匹ずつ串に刺し、炭火焼きにしていく手作業に勤しみます。

基本の焼あご出汁

  • 焼あご出汁
  • 焼あご出汁
  • 焼あご出汁

ここからは、地元・長崎での「焼あご出汁」の基本のとり方と、それに合わせる「かつお出汁」のとり方をご紹介します。

焼あごは、ふつふつ泡が上がるくらいの弱火で煮出すことで、旨味が抽出されます。鍋の様子を観察するのが、おいしいの秘訣です。煮すぎると苦味が出るので注意しましょう。

かつお出汁は「かつお削り」でのとり方を2種類、お伝えします。「煮出し」は煮ることでしっかりとした風味の強い出汁がとれ、「水出し」はすっきりとした出汁が味わえます。いずれも、日々のお味噌汁や煮物などにお使いいただける基本の出汁です。

焼あご出汁

焼あご出汁
 

  • 材料

    • 1ℓ
    • 焼あご30g
    • 出汁昆布5cm角
  • とり方

    1. 焼あごを半分に折り、出汁昆布と一緒に水を張った鍋に浸しておく。夏場は1〜2時間、冬はひと晩が目安。
    2. 蓋はせず、鍋を中火にかけ、沸騰直前で昆布を先に取り出す。そのまま弱火で鍋底からふつふつ泡があがるぐらいで、5分ほど煮込む。
    3. キッチンペーパーなどをしいたざるで越したら出来上がり。

かつお出汁

焼あご出汁
 

  • 材料

    • 1ℓ
    • かつお削り30g
    • 出汁昆布5cm角
  • とり方(煮出し)

    1. 鍋に、水1ℓ、出汁昆布を入れ、1時間半くらい浸しておく。
    2. 中火にかけます。5〜10分ほど加熱し、鍋底からふつふつ泡が出てきたら、火を止めて出汁昆布を取り出す。
    3. かつお削り30gを2に入れ、弱火で1〜2分煮出す。
    4. キッチンペーパーなどをしいたざるで越したら出来上がり。
     

    とり方(水出し)

    1. ポットに材料を全て入れる。
    2. 冷蔵庫に8時間以上置いたら出来上がり。

出汁の黄金比

日本の出汁を使った料理には、おいしさの「黄金比」があります。調味料との合わせ方を一度覚えれば、あとはお好みに応じてアレンジしたり、違う料理に使ってみたりと、自由度が高いのもよいところ。

せっかくなら焼あごの出汁も黄金比をおさえて、幅広く味わってみませんか。ここからは、DEAN & DELUCAがおすすめする出汁のたのしみ方をご紹介します。

  • 使う出汁

    • かつお出汁(かつお節30g+出汁昆布10g  ※上記レシピ参照)
    • 焼あご出汁(焼あご30g+出汁昆布5cm角 ※上記レシピ参照)
    • 基本の合わせ出汁(①かつお出汁+②焼あご出汁を1:1)
 


おすすめの出汁とたのしみ方

  • 八方出汁

    • おすすめの出汁かつお出汁、焼あご出汁、基本の合わせ出汁
    • 合わせ方出汁 8:みりん1:薄口しょうゆ1を合わせて、鍋でひと煮立ちさせます。
    • おすすめの料理煮物。その名の通り、幅広く使える“八方よし”な万能出汁です。
  • 旨出汁

    • おすすめの出汁かつお出汁、基本の合わせ出汁
    • 合わせ方出汁 6:みりん1:濃口しょうゆ1を、合わせて鍋でひと煮立ちさせます。
    • おすすめの料理天つゆ、麺つゆ、あんかけ、揚げ出し。
      こっくりとした味わいに仕上がるので、
      揚げ物や麺類に絡めたり、あんかけにしてもおいしくいただけます。
  • お浸し出汁

    • おすすめの出汁かつお出汁、基本の合わせ出汁
    • 合わせ方出汁 12:みりん1:薄口しょうゆ1を、合わせて鍋でひと煮立ち。 冷まして使います。
    • おすすめの料理野菜のお浸し。
      出汁の風味を、季節の野菜と一緒におたのしみいただける料理です。
  • 炊き込みごはん出汁

    • おすすめの出汁かつお出汁、焼あご出汁
    • 合わせ方出汁 12:料理酒1:薄口しょうゆ1をまぜるだけ。
      炊飯時に、出汁の分の水を抜いて加えます。
    • おすすめの料理季節の具材を入れた炊込みごはんに。出汁さえ決まれば、あとはシンプルでOK。

上質なお味噌汁をご家庭に

合わせ方によって、様々にたのしめる出汁。中でも日本人に馴染み深い料理といえば、お味噌汁です。地域ごとやお好みに合わせ、出汁、味噌、そして四季折々の具材を加え、食べられてきました。その豊かさは“食するよろこび”を体現しているといっても過言ではありません。

一方で「わざわざ出汁からお味噌汁をつくるのが大変」という声も少なくありません。また、日頃から料理に親しむかたの中には「新しい出汁との出会いを試してみたい」というかたもいらっしゃいます。

幅広い趣味趣向、ライフスタイルのかたに、本来のおいしさをお届けしたい。そこで2020年夏に、DEAN & DELUCAは、いつ、どこにいても本格的な出汁を味わえるお味噌汁を開発・発売しました。

共に取り組んだのは、昔ながらの製法で焼あごなどの出汁をつくる、長崎の出汁屋『中嶋屋本店』です。一つひとつの素材にこだわった3種類の出汁を選び、それぞれに合う味噌と具材を全国各地からセレクト。出汁の入門編としてはもちろん、忙しい日々でも豊かなおいしさを、お気軽に、できたてで味わっていただけます。

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