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すべての食卓が笑顔であふれる未来を『GOOD GOOD MEAT』

2025.08.01
GOOD GOOD MEAT

四季折々の気候風土とつくり手が育む、さまざまな食材。その中でも「肉」という食材には、生産者、シャルキュティエ、熟成士、料理屋など、多彩な目利きがいます。また「肉」とひと口にいっても、扱う種類やおいしさの極め方はそれぞれ。

個性豊かな彼らに共通するのは、日々の食卓を彩る〝とっておき〟の食材を、信念をもち追及しているということ。そして、肉に並々ならぬ愛情をもち、お客様にしあわせな時間も一緒に届けているということです。

バイヤーが各地へ赴く中で培ってきた、数々の出会い。今回は、循環型畜産SPAベンチャー『GOOD GOOD MEAT』をご紹介します。

Interview

GOOD GOOD MEAT

GOOD GOOD MEAT
メンバーに共通することは、お肉が大好きなことだった。

金融、IT、アパレル、食、畜産、農業……肉が好きでたまらない、さまざまな分野の経営者たちが集まり、2016年に創業した『GOOD GOOD MEAT』。

その第一歩は、2017年にオープンした兵庫の精肉店です。街に寄り添う“お肉屋さん”として、「自分たちが食べたい」「家族にも食べさせたい」を基準に、国内外の透明性の高い牧場に足を運んで選んだ肉を扱いはじめました。

その中で、熊本・阿蘇で代々つづく繁殖・肥育農家の井 星二さんに出会い、共鳴。現在では牛が食べる牧草づくりから、オリジナル牧草和牛の繁殖・肥育、肉の加工、卸売、小売、飲食店まで、すべてを自社で行なっています。また、農業生産責任者・土志田 隼人さんも加わり、マイクロハーブなどの屋内栽培もはじめました。

多岐にわたる、『GOOD GOOD MEAT』の取り組み。根底にあるのは、すべての食卓が笑顔であふれ、大好きなお肉が100年後にも食べられますようにという願いです。

そしてそのためにも、日本の食料安全保障の課題や、環境問題、動物福祉などを解決したい。世界基準に適応した、次世代の日本の畜産をつくってゆきたいと考えている、とも。

「メンバー全員、それぞれの分野で仕事が軌道にのっていたタイミング。これからの人生をかけて取り組んでいきたい仕事を考えたとき、大好きなお肉をこれからもたのしみつづけるために、持続可能な畜産をしたいという想いに至ったんです。

まだまだ分業制がメジャーな畜産業界ですが、僕たちは一気通貫で取り組んでいます。これは“真においしいお肉”を正義としているから。僕たちの考える『おいしい』とは、裏表のない、身体にも地球環境にも“健康的で正直なおいしさ”です」(以下「」すべて、取締役/総料理長・西田 浩隆さん)

みつば放牧牧草牛と北海道放牧豚ZETTON
「みつば放牧牧草牛」 / 「北海道放牧豚ZETTON」

大好きな肉の明るい未来を願う『GOOD GOOD MEAT』。扱うのは、牧草牛と放牧豚です。なぜ放牧にこだわるのでしょうか?

一つは、肉の味わい。

「広大な土地でのびのびと元気に過ごした牛や豚は、草食と運動で、心身ともに健康的に育ちます。その中で育まれるお肉は、脂肪が少なくヘルシーで、赤身の旨味がしっかりと感じられる。これこそ僕たちが理想とする味わいです」


京中のルーツである馬喰
阿蘇の自社牧場は、日本最大級の草原。

もう一つは、自然資源の維持と農地の再活用です。

「僕たちは熊本県阿蘇に500ヘクタール、北海道厚真町に300ヘクタールの自社牧場をもっています。

阿蘇の自社牧場は、急斜面の丘陵地が多く、農作物を育てるのには厳しい土地です。一方で、その丘流を生かして放牧することで、古くから日本最大級の草原を維持してきました。

500ヘクタールの広さに放牧しているのは、約100頭の牛たちです。ここでは牛が草を食み、また冬の食料として採草されることで草原が再生し、維持されます。つまり、自然を活用して畜産することで、景観も保持されているんです。

北海道厚真町の自社牧場は、もともとゴルフ場の跡地で、30年ほどほったらかしにされていました。ここも土地の傾斜が激しく、整備する必要があったのですが、予算がかかりすぎるため一度は諦めたんです。しかし7年前に町で震災が起こり、大量に出た土砂を運んで整備するという形で、2024年から稼働しはじめました。

現在はここで牧草を育てるほかに、新たな取り組みの場として活用しています。理由があって放置されていた農地の再活用も、自然を守ることにつながるんです」

現在、もっとも力を注いでいるのは、阿蘇の自社牧場で育てている「牧草あか牛」。コクのある濃厚な赤身が特徴の、オリジナル品種です。


母子放牧
必ず母子放牧を行う。

「牧草あか牛は、阿蘇の伝統品種・あか牛と井の目利きがかけ合わさって生まれました。

あか牛は、熊本県を中心に飼育されている、とても希少な和牛です。農林水産省の2018年の統計によると、国内で飼育されている和牛は170万1000頭。そのうちあか牛は2万1800頭と、わずか1.28%で、ほとんどが黒毛和牛なんです。

中でも阿蘇で放牧されているあか牛は、赤身が多くヘルシー。旨味と柔らかさを兼ね備えているといわれています。」


牧草あか牛のランプ肉。 コクのある濃厚な赤身。
牧草あか牛のランプ肉。コクのある濃厚な赤身。

ただ、そもそもあか牛は、すべてが放牧ではありません。放牧するには、母牛に草の食べ方などを教わらなければならないので、母子放牧する必要があるんです。

また、食べさせる牧草も重要。牧草あか牛は、野草はもちろん、栄養価が高い牧草を成長に合わせて食べることで、健康で大きく育つように計算しています。だから、井がよく『牛は黙っていても育つけど、牧草を育てるのが僕たちの仕事』と言っていますね。牛の月齢で、イネ科やマメ科など、食べさせる牧草も生やす牧草も変えています」


牧草の種類オーチャドとペレニアルライグラス
牧草の種類「オーチャド」と「ペレニアルライグラス」

確かな放牧畜産のノウハウのもと、大切に育てられる牧草あか牛。その肥育期間は、ほかと比べて長くとっているそうです。

「一般的に牛の肥育期間は26ヶ月が多いですが、牧草あか牛は平均29ヶ月。なぜなら、牛も豚も鶏も、より長く肥育したほうがお肉の旨味が濃くなってゆくんです。僕たちは赤身のおいしさを追求しているのでより長く育てます。

また、長く育てれば育てるほど、エサ代などコストがかかるという面もあります。ただ僕たちの場合は放牧畜産ですので、エサは牧草がメイン。あまりコストを上げずに肥育期間が延ばせるんです。

この強みを活かして、現在いろいろな月齢の味を試食しているところ。40ヶ月肥育のプレミアムライン、7〜8年の超長期肥育ラインなども試して、さまざまなおいしさをレストランなどに提案できたらと考えています」

牧草あか牛のステーキ
牧草あか牛のステーキ

伝統に革新を交えて、前にすすむ『GOOD GOOD MEAT』。最後に、今後の展望も伺いました。

「近い将来でいえば、北海道の自社牧場で、豚か鶏も育てはじめたいと考えています。どちらも長期肥育することで牛と同じく赤身がおいしくなるので、大切に育てて、新たな加工品を開発したいですね。

長い目では、“誰もが食糧生産に関わることができる社会づくり”が目標です。そして、“100年先のすべての食卓が笑顔で溢れること”を願い、すべての食卓に笑顔を届けたいと思っています。お肉屋さんですが、NEOミートやヴィーガンメニューなどの開発にも取り組んでいるのは、誰もが一緒に、気兼ねなくテーブルを囲む世界をつくりたいから。

これからも、“おいしく、健康で、正直”なものをお届けしてゆきたいと思っています」

GOOD GOOD MEAT
GOOD GOOD MEAT
2016年、自分自身が食べたいと思える肉を求めて、国内外の牧場を飛びまわる“ミートLOVER”が集結。生産・加工・卸売・精肉店・飲食店を自社で一貫経営し、持続可能な畜産を展開する。

『GOOD GOOD MEAT』の味わいをご自宅で

  • GOOD FOOD CLUB|頒布会

    【GOOD FOOD CLUB|頒布会】 ミートコレクション

    DEAN & DELUCAのバイヤーが厳選したこだわりのお肉を6ヶ月間に渡ってお届け。

    バイヤーが各地へ赴く中で、生産者、シャルキュティエ、熟成士、料理屋など、多彩な肉の目利きと出会いました。
    信念をもち手がけられるおいしさは、日々の食卓を彩るにふさわしいとっておき。そのおいしさをご自宅で味わっていただけるよう、季節に合わせた食べ方でご用意しました。月ごとの出会いもおたのしみください。

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