想いをつなげる

日々を、より豊かにするような存在との出会いや時間は、淡々と続く生活に、ポッと温もりを宿してくれます。あるだけで、うれしい。手にすると、たのしい。そんな商品づくりにも、DEAN & DELUCA(ディーン アンド デルーカ)は取り組んでいます。
その一つが、アートユニット『tupera tupera(ツペラツペラ)』とつくった、子どもたちを笑顔にするお菓子です。
心がワクワクときめいて、思わず顔がほころぶ。年齢、性別、言語などの垣根を超えて、大人も子どもも笑顔になる。そんな、二人の生み出すアートワークや絵本は、手にとって心が踊る。プレゼントされると、思わずとっておきたくなる。そして、食べておいしく、どなたも笑顔になる。まさに、DEAN & DELUCAの思い描くお菓子の姿。
- 2021年ホリデーに共につくったお菓子のパッケージ原画と、tupera tuperaの二人
INTERVIEW
同じようなものをつくらない
数々の絵本に、ジャンルを超えた企業やお店などとのコラボレーションで生まれる商品パッケージや雑貨などのアートワーク、TVのイラストレーション制作など。幅広く活動するという言葉がぴったりな、tupera tupera。二人の始まりは、パッチワークと刺繍でつくる、一点もののクッションです。
以来、それぞれの得意を活かしつつ、どちらが何をするかは決め過ぎず、役割を交差させながらものづくりをしているそうです。
- 活動を始めた頃に制作していたクッション。
一点一点手づくりし、二人が店頭で直接販売していた。
「私がもともと、テキスタイルやファッションに興味があって。亀山(達矢)は、絵を描いたりアイデア出しが得意。tupera tuperaという屋号でつくり始めた布小物は、一点一点、布を切ってパッチワークしていました。それが、素材が紙に代わり、ノリで貼る切り絵になっただけ。今も基本的に、二人で机に並んで制作しています(中川敦子さん)」
「絵本は、布小物をつくっていた頃に、お客さんから『絵本をつくっていないんですか?』と尋ねられることが多くて。それなら一度つくってみようかということになりました。中川は絵本が身近だったけれど、僕はあまり触れず育ったので、まずは自分たちなりの絵本をつくってみようと。自費出版で『木がずらり』という、ジャバラ型の飾れる絵本を1000冊つくったんです。そうしたら、それを見た編集者から声がかかって。その後、絵本からどんどん枝葉が広がり『tupera tuperaと何かおもしろいことをやりたい』という声に応えていった結果が、今につながっていると思います(亀山達矢さん)」
- 多彩な絵本の一部。様々な野菜を土から引っこ抜く『やさいさん』は、野菜の質感を出すため着色に工夫。
- パンダの家族が銭湯に行く『パンダ銭湯』は、鉛筆の線を活かした、ふんわり、どこか懐かしい風情。
「振り返ってみれば、似ているものもあるかもしれないけれど」と中川さん。でも決して、同じようなものはつくりません。なぜなら、生き物は全く同じ存在がいないように、出会いの数だけ新しい世界があるから。
「自分たちが、いつも新鮮な気持ちでものづくりをしたいと思っています。長く続けていると手が慣れて、こなせるようになりますが、それがいちばん危険。一つひとつの作品に向き合って、自分たちがおもしろがってつくったかどうかは、見る人に伝わると思うから(中川さん)」
「その人、そのメーカーとしかできないものをつくりたいんです。絵本でも、コラボレーションのお仕事でも、いつもいろんな方と化学反応を起こしているような感覚です(亀山さん)」
本気で、誰もがよろこぶものを
作風や関わる作品の数々から、やはり“子ども”を意識しているかと思いきや、そのようなことはないそう。むしろ、大人にこそたのしんで欲しいといいます。
「だって世の中、大人が笑顔でいないとつまらない。そもそも絵本も、子どものものと思っていなくて。僕は、世代を超えたコミュニケーションツールのように考えています。一人はもちろん、親子や友だちと一緒に読んだり、学校のクラスや介護施設などで大勢で読んだり。あとは、セラピーで使ったり、飾ったり。使ってナンボだと思っているので、どんどん、それぞれの自由に使って欲しいですね(亀山さん)」
- 全国各地で開かれるワークショップでの一コマ
その一方で、ワークショップでは、子どもならではのおもしろさを実感。感情に素直な子どもたちを相手に “元・子ども”として、いつも真剣勝負なのだとか。
「子どもの反応って正直だから、なめちゃいけないし、全力で向き合っています。絶対にたのしませるぞと。子どもって、おもしろいですよ。尊敬できるヤツもいれば、いやなタイプもいる(笑)。個性と本能が剥き出しで、見ていてワクワクします(亀山さん)」
「うちの子たちも、おいしいものを食べている時や工作に夢中になっている時の集中力なんて、ものすごいよね。子どもは本物が、ちゃんとわかっている(中川さん)」
仕事でも、私生活でも、いつも一緒。同じ物事に向き合うtupera tupera。ともするとルーティンになってしまいそうなところ、鮮度を保ち続けているには秘訣があるのでしょうか。
「僕の場合は、お仕事であってもそうでなくても、いろんな人と“つくる”を介して遊んでいる感覚があります。僕が、毎年やっている節分は、ちょっと有名なんですよ。『本気鬼(ほんきおに)』といって、全身全霊で怖い鬼に変身して襲いかかります。あとは、家族の誕生日ケーキに、オリジナルのピックをつくって飾ったり。僕の得意分野の“つくる”で、誰かを驚かせたり笑わせたりしたいんですね(亀山さん)」
「亀山は、アイデアが思いついた時の瞬発力があります。友人の誕生日にワインをプレゼントするとなったら、渡すだけでなくて、おもしろいパッケージをつくって包む。生活の中にも“つくる”が溢れています。私の場合は“つくる”という行為に癒されていますね。紙をチョキチョキ切りながら、集中してつくる時間は、心が落ち着く大切なひと時です(中川さん)」
二人にとって“つくる”とは、仕事でありライフワーク。そこに、境界線はない。だからこそ、二人三脚で長年やってきても、ずっと心からワクワクして、たのしみ続けられるのかもしれません。
- こちらは10年ほど前のワークショップで撮影した家族写真。
- お仕事も私生活もないまぜだから、おもしろい。
2022年で、tupera tuperaとして活動を始めて20年。最後に、今後について伺いました。
「僕たちは、基本的には絵本の続編を描きません。なぜなら“今”しかできないことをやりたいから。絵本にしても、TVや演劇のアートワークにしても、当時はなぜ(経験のない)僕たちに? と思う依頼でも『tupera tuperaとやりたい』と言ってくださる本気の声には応えてきました。その中で、技法やアイデアなど、自分たちでは見たことのない引き出しがパカッと開いて、次々と新しい自分たちが生まれてきたんです。来年は、誰と出会って、何をつくっていくのか。わからないからおもしろい(亀山さん)」
「どこか他力本願ですけれど、新しい世界への扉を開く出会い、共感するお話との巡り合いを、これからも待っています(中川さん)」
目にしたり手に取ったりするだけで、心がウキウキする、その作品から伝わる高揚感。それは、tupera tupera自身が“つくる”ことを愛し、たのしみ続けているからこそ滲み出るもの。そして、どうすればよろこんでもらえるだろうと、本気で向き合っているから生まれる感情なのかもしれません。
心身を、一層豊かにしてくれるような、共鳴する本物との出会い。これからも私たちは、食するよろこびを通して、お伝えしていきます。

- tupera tupera|ツペラツペラ
- 亀山達矢さんと中川敦子さんによるユニット。2002年より活動を開始。オリジナルの布地による小物制作、イラストレーション、絵本などの分野で活動している。
第一弾|ホリデーに想いを寄せてつくった「パズルチョコレートボックス」
アートユニット『tupera tupera(ツペラツペラ)』が、DEAN&DELUCAのために、ホリデーに想いを寄せてつくった特別な原画がモチーフのお菓子。ボックスの側面に描かれたイラストを組み合わせると、全部で5つの絵柄と物語が生まれます。ボックスの中にはサンタや兵隊、スノーマンの形のホイルチョコレート入り。4つのボックスが揃うことで「組み合わせて遊ぶ」というパズルボックスのたのしさに外側の「ギフトボックス」は、舞台になるのもポイント。紙人形が4つ付いているので、紙芝居をたのしむこともできます、紙人形は自分で好きな顔を描いてオリジナルの物語がつくれるようにしました。
- DEAN & DELUCA パズルチョコレートギフトボックス ¥3,024 税込
第二弾|笑顔と物語の生まれるお菓子缶
食べておいしく、遊んで、飾って、とっておきたくなる。
アートユニット『tupera tupera』と、笑顔と物語の生まれるお菓子缶をつくりました。
心がワクワクときめいて、大人も子どもも思わず顔がほころぶ。tupera tuperaの作品の数々は、まさにDEAN & DELUCAの思い描くお菓子の姿です。
車好きのイヌ、魚が大好物のネコ、ソフトクリームが好きなペンギン、お花を愛するクマ。みんなの「大好き」を、tupera tuperaが特別なアートワークに仕立て、缶にデザインしました。
飾ったり遊んだり、おいしく食べたら、あなたの「大好き」な宝物を入れてたのしんでください。それぞれの物語が続く、大切にとっておきたくなるようなお菓子缶です。