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merchantDEAN & DELUCAの毎日

ソムリエのワインセレクション vol.5

2020.10.15

DEAN & DELUCAが大切にしているワインのスタイルは、値段やクラスにかかわらず「食事と合わせて輝く」こと。食とワインの知識と経験豊かなソムリエは、しあわせな出会いをセッティングしてくれる、頼もしきコンシェルジュでもあります。

そこで、DEAN & DELUCAのワイン達人たちに聞いてみました。プロ目線でのワイン選びとは? ソムリエの仕事について。ワインを200%たのしむためのヒントあれこれ。匠の目利きによるマスト・バイの顔ぶれにもご注目!

ソムリエインタビュー vol.5 今井 加奈子  八重洲店マネージャー

人と対話し、つながりながらワインのたのしさを伝えたい

人と対話し、つながりながらワインのたのしさを伝えたい

バターとチーズに導かれ ワインの世界へ

八重洲店のマネージャーを務めて2年目になります。“エキナカ”の店なので、常に人の流れがあって、お客さまの年齢層も目的も幅広く、ワインは車内で召し上がるためのハーフサイズボトルが中心です。品ぞろえの種類はそれほど多くありませんが、お土産に選ばれるかたも多く、忙しくても丁寧なアドバイスを心がけています。

ワインに目覚めたのは、20代。まだ出身地の新潟にいて、菓子職人として洋菓子店に勤めていた頃でした。

仕事先で初めて口にしたフランス産のバターの味わいに感激し、お菓子から食材全般に関心が向くように。「ちゃんと勉強したい」の一念で、地元のグローサリーストアに移り、チーズ売場へ。売場に通ってくるレストランシェフやワインバー関係者など“その道のプロ”の方々に導かれ、やがて月1回の持ち寄りワイン勉強会に通うことに。紹介された通信教育で、基礎も学び始めて。チーズとは切っても切れないお酒として、初めてワインが自分の人生に近づいてきました。マリアージュの基本は、土地のお酒と料理を引き合わせること。そして、ワイン単体のレベルにとどまらない“料理ありき”のクオリティがある。その揺るぎなさを最高の形で見せてもらった、本当に感動的な体験でした。


ワインを介して 人とつながれる仕事

ワインを介して 人とつながれる仕事

ワインを“学ぶ”という感覚は、初めの頃はなかったかもしれません。とにかく、たのしくて、たのしくて。「扉を開けちゃった。もう戻れない!」という感じです。

衝撃の1本との出会いもありました。社内の勉強会のベテランメンバーが持ってきたCHランシュバージュの年代もの。「森の香り」とか「腐葉土」とか「濡れた子犬」とか、それまで理解できなかったワインの香りの表現が一瞬で腑に落ちて、ああ、これがフィネスというものか、と。周りの先輩たちから聞いてきた言葉が、全部つながる実感がありましたね。

よいワインはちゃんと寝かせたり、上質なグラスを用意したり、最大限に準備をして初めて映えるポテンシャルがある。そんなことも、勉強会で教わりました。ワインの魅力って、たぶんそういうことだと思います。ただ味わうだけじゃない、未知のワインと出会い、その1本をめぐってほかの人と意見を交わし、互いに経験値を高めていくたのしさ。ワインを介して人に接すること、伝えることのすばらしさを知った経験が、今の仕事につながっていると思います。

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女性ソムリエならではの 自然で親身なアプローチ

 

ソムリエの資格を取得したのは、ワインの勉強を始めて2年目のこと。その後、レストランサービスの仕事への転職をきっかけに、シニアソムリエの試験にも挑戦。幸い、1回目で合格できましたが、受験前は猛勉強、猛特訓の日々でした。仕事が終わると、バーの端っこにボトルをズラッと並べて、飲んではメモを取り、1000本ノックのように。ほとんど不審者です(笑)。でも、あれだけ頑張れたという経験が、自分にとっての大きな自信にもなりました。

ソムリエの立場で接客するときは、知識の押しつけではなく、常にお客さまの目線に立つことを意識します。ワインを知らないとおっしゃる方には、家飲み用かプレゼント用かの用途や予算だけでなく、アルコール耐性、ふだんワインを買う場所などの話題を挟みながら、さりげなくヒヤリングを。お買い物カゴの中身、ファッション、携帯のストラップをヒントに、ワインのお好みを想像し、アドバイスに生かすことも。もちろん、独断に走るのは禁物ですが。ワインを飲み慣れていないかたにとっては、好みのタイプを見極めること自体が簡単ではありません。だから「何かお探しですか?」の一言をかける前に、想像を働かせて、答えの入った引き出しを3つくらい開けて待つ。そんな親身で自然なアプローチができるのも、女性ソムリエならではの強みなのかもしれません。

女性ソムリエならではの 自然で親身なアプローチ
BERRY BROS & RUDD / Sauternes ソーテルヌ 2015 × POINT REYES ベイブルー 170g ワインビギナーにも飲みやすく、お値段も手頃なハーフサイズのソーテルヌを、定番のブルーチーズとペアリング。 ロックフォールではなく、カリフォルニア産のクラシカルなブルーチーズでドレスダウンを。 貴腐ワインの上品な甘みに、ブルーチーズのとろけるような口溶け、塩気とカラメルの香ばしさが好相性。

グローサリーだから可能な ギフト提案がある

DEAN & DELUCAの入社前、実はその存在すら知りませんでした。たまたま通りがかりに入ってみたのが、後の勤務先になる品川店。ヨーロッパかぶれだったので、ニューワールド中心のワイン売場を見て「つまらない」なんて思ったりして、生意気にも。

でも、シャクータリーの売場に行って、鳥肌が立ちました。ありえない種類のチーズ、1枚から注文できる生ハム、試食OKの大らかな雰囲気。フランスの食料品店の雰囲気がそのまま再現されていて「ここに好きな世界がある!」と興奮したのを覚えています。以前の“グローサリー愛”が蘇ってきて「ワインがメインではない場所で、逆提案するのも面白いかも」と。

本当にワイン専門店とは違う提案のたのしみが、ここにはあります。たとえば、誕生日や記念日や内々のパーティーなど、パーソナルなお祝いにワインを選びたい時。チーズ、ドライフルーツ、ナッツなどのおつまみを組み合わせて、あるいはオープナーやグラスなどのワイングッズとセットで贈るのも洒落ています。上質な食材が豊富にそろうグローサリーならではの贈り方。相手の嗜好、気持ちの負担にならない値段のバランスを考えつつ「自分で買う機会はないけれど、いただくとうれしい」を狙うのがポイントです。定番ながらもセンスが光る、こんな組み合わせはいかがでしょう?

 


Valentine’s Day ワイン×チョコレートの、とっておきのペアリングギフト

ワイン単体、チョコレート単体より、ちょっと“こなれている感”のあるワイン×チョコレートの組み合わせ。産地でそろえたり、味わいの相性で選んだり、組み合わせのスタイルもいろいろ。ギフトならではのパッケージデザインの美しさにも注目です。

 

I Giusti & Zanza / Belcore
イ・ジュスティ エ・ザンツァ / ベルコーレ

ワイン名の“ベルコーレ”はドニゼッティの歌劇「愛の妙薬」の登場人物名に由来。ネーミングも恋するバレンタインにぴったり。軽やかで飲み疲れなし。でも、重厚感もしっかりあり。ワインに練り込まれたカカオの香ばしさが、上質なチョコレートの香りとハーモニーを奏でます。

Tartufidorci Antica Torroneria Piemontese
トリュフチョコレート 10個入り

ヘーゼルナッツとチョコレートで有名なイタリアのピエモンテ産。幸せの四葉の形を模したミニトリュフチョコレートは、ナッツのざっくりした香ばしさ、上品な口溶けが身上。チョコレート好きのハートを射抜いて外しません。

Duckhorn Vineyards / Chardonnay
ダックホーン / シャルドネ

アメリカ / カリフォルニア

樽香をきかせたクラシックなカリフォルニアスタイルのシャルドネ。甘すぎず、華やかな桃の香りをまとったリッチなフレーバー。1976年設立のワイナリーは、オバマ大統領の就任式にオンリストされ、一躍注目を浴びる存在に。そんなストーリーも一緒に届けましょう。

Chocolat Moderne
アヴァンギャルド・バー

パッションフルーツのキャラメルに、カルダモンのアロマを閉じ込めたホワイトチョコレートバー。パッションフルーツのトロピカルな香りと甘酸っぱさ、カルダモンのスパイス感が、樽のきいたワインにドンピシャ。誰もが納得、合わせて感激の相性です。

Ceretto / Moscato dAsti

イタリア / ピエモンテ

ソーテルヌ漬けのレーズンチョコレートに、同じ甘口でもソーテルヌではなく、あえてイタリア産のモスカートをチョイス。アルコール度数5.5%と軽く、チリッと舌先に感じる微発泡感も心地よし。マスカットの香りがしっかり立つので、ワインとチョコレートで2乗の香りを楽しんでもらえます。

DEAN & DELUCA
レザンドレ オ ソーテルヌ 150g

貴腐ワインに漬け込んだ干しブドウを1粒ずつチョコレートでコーティング。リッチな香りとレーズンのフルーティーな甘味が口いっぱいに広がります。一度贈られて、おいしさの虜になる男性ファンも多数。

ソムリエが選ぶ、おいしいワイン棚

かつてはボルドーやブルゴーニュのグランヴァンにも傾倒したけれど「今は、もっぱら飲み疲れしない白が好き」と話す今井。特に最近お気に入りというオーストリアの白を筆頭に、イタリア、ニュージーランドから注目の赤2本を選んでもらいました。

 

ピヒラークルツラー / グリューナフェルトリーナ2016

Pichler Krutzler / Gruner Veltliner 2016
ピヒラークルツラー / グリューナフェルトリーナ2016

オーストリアきっての銘醸ワイナリーF.X.ピヒラーとクルツラー子息カップルが結婚し、2006年に立ち上げた注目のワイナリー。標高の高い斜面で栽培されるグリューナー由来の冷涼感と、塩気を伴ったミネラリーなタッチが身上。力強いボディをもちながらも、ピュアで繊細なフィネスもしっかり感じられる。

「これぞ“ザ・オーストリアン”のミネラル感が表現されたすばらしい白。冬景色。音のない世界。静かな冷たい水。モノクロームの風景が次々と浮かび、イマジネーションを刺激されます。ペアリングは、ぜひ和食を。これから出回る山菜は、独特のえぐみがつなぎ役になって、最高の相性を実感できるはず。特に天ぷらをおすすめします! 」
イ・ジュスティ エ・ザンツァ / ペルブルーノ

I Giusti & Zanza / Perbruno
イ・ジュスティ エ・ザンツァ / ペルブルーノ

1995年の設立以来、新進スーパートスカーナの旗手として注目を集める造りて。ボルドーのメドックと似た気候土壌を有するエリアとされる「ファウリア」に立地。“Per Bruno (ブルーノのために)”は、創業者の1人でもあるオーナーの父ブルーノヘのオマージュを表現したシリーズ。

「トスカーナワインでは珍しく、フランス品種のシラーを100%使用。南仏シラーのグラマラスな印象とは違う、筋肉質でスタイリッシュなスタイル。飲んでいて“背筋が伸びるシラー”です。家族で囲む食卓というよりは、おいしいハムとチーズでもつまみながら、親しい人と差しで。そんなパーソナルなシーンが浮かぶワインです 」
サム・ハロップ / グラン アマチュア マーチャント2016

Sam Harrop / Grand Amateur Merchant 2016
サム・ハロップ / グラン アマチュア マーチャント2016

ニュージーランド出身のサム・ハロップMWが立ち上げた自社ワイナリー「サム・ハロップ・ワイン」のカジュアルライン。“マーチャント”はカベルネ・ソーヴィニヨン、カベルネ・フラン、メルローを等分にブレンドしたボルドースタイルのセパージュ。典型的なボルドーとは一味違うバランス感が身上。

「ヨーロッパかぶれだった自分が、南半球のワインに興味をもつきっかけとなった1本。ワイナリー生まれの醸造家とは違う、マスター・オブ・ワインプロデュースならではの絶妙なバランス感。カベルネ・ソーヴィニヨンの重さがなく、すっと流れるような清涼感。シンプルなグリルの肉料理がおすすめです 」
今井 加奈子|KANAKO IMAI
今井 加奈子|KANAKO IMAI
八重洲店マネージャー
新潟県出身。シニアソムリエの資格をもつ異色の店舗マネージャー。故郷・新潟での菓子職人からグローサリー勤務、フレンチビストロでのソムリエ職を経て、本格的にワインの道を究めるべく上京。都内ワインショップに勤務の後、2009年DEAN & DELUCA入社。10年間で6店舗に勤務し、4店でマネージャーを務める。ワインに合うシャクータリー、チーズ、デリ、スイーツまで、女性ソムリエならではの感性をギフト選びに発揮。プライベートでもワインは欠かさず。最近は、お気に入りの白ワインをベランダに並べ「今夜はどれを開けよう」と悩むのが至福の時間
※ソムリエの情報はインタビュー当時のものです。

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