ソムリエのワインセレクション vol.3

DEAN & DELUCAには“フードマスター”という社内資格があります。試験は１次の筆記、2次のテイスティング、3次のプレゼンテーションの3段階。売場に並んでいる商品すべての知識に精通していなければクリアできない難易度の高い試験内容で、最終合格率は過去5回の平均で約5％程度。3次試験ではテーマに合わせたギフト提案や接客のロールプレイングが課され、食のプロフェッショナルとしての知識と素養が問われます。

私は第１回目にエントリーし、幸運にも初代フードマスターの資格を取得することができました。もともと、お酒を飲むのと同じくらい、食べることが大好きで。もっと好きなのは、食材や料理について調べ、知識を蓄えること。そんな自分にとって、フードマスターに挑戦することは、ごく自然な流れだったと思います。筆記で問われる内容、テイスティング、プレゼンテーションとも、仕事として日常的にかかわっていること。特に試験勉強も緊張もせず、たのしみながら受けたら通っちゃった！　という感じです、本当に。

ギフトといえば、品川店でもワインとフードの組み合わせは、とても人気があります。ギフトに選ぶなら、まずワインでもフードでも特徴が伝わりやすいものを。わかりやすいラベル、パッケージデザインも大事ですね。そして、その組み合わせによって、食卓のシーンが完成するようなセレクションもよくおすすめします。たとえば、暑い夏にぴったりの、こんなギフトセットはいかがでしょう？

サーモンピンクの色合いが美しいロゼシャンパーニュ、手切りでカットした旬のフルーツを砂糖とフルーツ果汁のみで仕立てたフルーツコンポート、シャンパーニュの産地ランスの郷土菓子“ビスキュイ・ド・シャンパーニュ”をパッケージに詰めて。ビスキュイをシャンパーニュに浸したり、コンポートを落としてカクテル風に楽しむアレンジも。贈り手のセンスと遊び心が伝わる、夏らしいワイン & スイーツギフトです。

ワインカウンター「 THE BAR 」があるのはDEAN & DELUCA全店舗の中でも、品川店と六本木店だけ。普段飲めないクラスのワインも含め、週替わりで常時6種類のワインがスタンバイ。レストランのようなチャージがないぶん、お得な値段設定で、気軽にバイ・ザ・グラスでテイスティングできる特等席です。

ワインの構成はスパークリング、白2種類、赤3種類が基本形。たとえば、白ならフレッシュ＆フルーティーな辛口とバリックのきいたフルボディ、赤なら産地違いで3タイプ、あるいは同じ品種による3種飲み比べといったように、よりメリハリのある組み合わせを意識しながら開栓するワインを選んでいます。それぞれのボトル価格が明記してあるので、好みと予算に合った1本を購入する楽しみも。

一番人気は30mlずつ3種類の比較テイスティングが¥1,000で楽しめる「飲み比べセット」。そして、カットしたての生ハムやチーズを少量ずつ盛り合わせる、おつまみ用の「3種セット」。ワイン売場の隣にチーズやシャクータリーが並ぶ、グロッサリーならではのメニュー提案。お出しする際は、1点ごとの産地や商品の特製を説明し、試飲するワインとの相性についても解説しています。これも”「おいしい！」を呼ぶ魔法”の一つと言えるかもしれませんね。

「ワインリストを眺めるワクワク感は、読書のたのしさと同じ」と話す二見。幅広いおすすめレパートリーの中から、特に料理と合わせて絶妙なバランス型の泡、ニューワールドの赤とオレンジワインを紹介してもらいました。

ブルゴーニュのモレ・サン・ドニの老舗ドメーヌが手がけるクレマン（泡）。ピノ・ノワール100％使用。ブラン・ド・ノワールならではのやわらかなエレガンスさが持ち味。瓶詰後の熟成に7年以上もの歳月をかけ、しっかりしたコクとボディも備えた1本に仕立てている。

ニューカリフォルニアのトレンドを牽引するマイクロワイナリーの意欲作。ビオディナミの畑で栽培されたピノ・グリを、スキンコンタクトを長めにとる醸しで“ラマート（胴色=オレンジワイン）”に。ノンフィルターだが濁りはなく、クリーンで優しい旨味が舌の上で微笑む。

カリフォルニア州サンタバーバラの有名ワインショップ & ビストロ「ワインカスク」のオーナーが立ち上げたワイナリー。メイン品種のグルナッシュらしい果実味は持ちつつ、シルキーでエレガントなタッチ。ビストロオーナーの設計ならではのバランス感が光る。