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産地で選ぶ日本ワイン

2026/11/02 00:00
産地で選ぶ日本ワイン

産地で選ぶ日本ワインJAPANESE WINES TO DISCOVER

柚子を思わせる香りの甲州。プラムの果実味が広がるメルロー。花や果実が華やかに香るケルナー。
日本各地で、気候や土壌に合うブドウ品種を選び、それぞれの持ち味を生かしたワインがつくられています。同じ品種でも、ブドウが育つ場所や醸造方法によって、香りや味わいは変わります。

山梨、長野、山形、北海道。4つの産地の特徴と、そこでつくられるワインの味わいをご紹介します。

日本ワインの産地とスタイルを知る


JAPANESE WINES TODAY銘柄や品種に加えて、産地から選ぶ

山梨県甲州市塩山に広がる、キスヴィンワイナリーのぶどう畑
山梨県甲州市塩山に広がる、キスヴィンワイナリーのブドウ畑。写真提供:Kisvin Winery

日本で育ったブドウだけを使い、国内でつくられる日本ワイン。その背景には、各地で積み重ねられてきた栽培と醸造の歴史があります。
食用ブドウの栽培からワインづくりが発展した地域もあれば、ワイン用の品種を植え、新たに畑を拓いてきた地域もあります。つくり手たちは土地の条件を見極めながら、品種を選び、栽培や醸造を工夫しています。


YAMANASHI山梨|甲州の柑橘香と、多彩な味わい

山梨の主要ワイン産地
山梨の主要ワイン産地

山梨では、甲府盆地を中心に、周囲の斜面や山麓にもブドウ畑が広がっています。勝沼や塩山、笛吹などでは、古くからブドウ栽培とワインづくりが行われてきました。 代表的な品種の甲州は、淡い赤紫色の果皮が特徴です。ワインには柚子やグレープフルーツ、梨を思わせる香りがあり、爽やかな酸とほのかな苦みが感じられます。 甲州は、醸造方法による味わいの違いも豊かな品種です。発酵後のワインを澱(おり)とともに寝かせる「シュール・リー」は、口当たりにふくらみや旨みをもたらします。樽で発酵・熟成させたものには、ヴァニラなどの香りが加わることもあります。 果皮とともに発酵させる「醸し発酵」の甲州もあります。果皮から色や風味、タンニンを引き出すことで、厚みや穏やかな渋みのある味わいが生まれます。 赤ワインでは、マスカット・ベーリーAも多くつくられています。いちごを思わせる甘やかな香りは、辛口に仕上げたワインにも感じられます。みずみずしい果実味を生かしたタイプから、樽熟成による香ばしさや複雑な風味を備えたタイプまであります。

一房ずつ笠をかけて育てられる甲州
一房ずつ笠をかけて育てられる甲州。写真提供:Kisvin Winery

NAGANO長野|同じ品種でも、育つ場所で変わる

長野県の主要ワイン産地
長野の主要ワイン産地

長野では、塩尻、千曲川流域、安曇野などでブドウが栽培されています。標高の高い畑も多く、日中の日差しがブドウの成熟を促し、涼しい夜が酸を保つ助けになります。 赤ワインを代表する品種のひとつが、メルローです。塩尻の桔梗ヶ原で長く栽培され、片丘や千曲川流域などでも育てられています。プラムや黒いベリーを思わせる果実味に、ほのかなハーブの香りが重なります。なめらかな口当たりのものから、凝縮した果実味としっかりしたタンニンを備えたものまであります。 白ワインでは、シャルドネが広く栽培されています。りんごや柑橘を思わせる爽やかな風味、白桃のようなふくよかな果実味などがあり、樽での発酵や熟成によって香ばしさが加わるものもあります。 北信地区には、千曲川の右岸と左岸で収穫したシャルドネを分けて醸造する例もあります。同じ品種でも、畑の条件によって異なる味わいを、ワインに表そうとする取り組みです。


YAMAGATA山形|おなじみのブドウを、辛口や泡で

山形の主要ワイン産地
山形の主要ワイン産地

果樹栽培が盛んな山形では、食用として親しまれてきたデラウェアが、ワインにも使われています。 小粒で甘いデラウェアも、ワインになると印象が変わります。辛口に仕上げたものでは、甘やかな果実の香りを残しながら、爽やかな酸とすっきりした後味を味わえます。 スパークリングワインでは、果実の香りに泡の軽快さが加わります。なかには、発酵途中のワインを瓶詰めし、瓶の中で発酵を続けるものもあります。酵母が生み出す炭酸ガスをワインに溶け込ませて、泡をつくる製法です。ろ過をせず、にごりや澱を残したタイプもつくられています。 山形では、シャルドネやメルロー、マスカット・ベーリーAなども栽培されています。デラウェアの軽快な白やスパークリングから、樽で熟成させた白や赤まで、さまざまなスタイルがつくられています。

HOKKAIDO北海道|冷涼な土地で育つ、香りと果実味

北海道の主要ワイン産地
北海道の主要ワイン産地

北海道では、余市・仁木、空知、函館周辺などでブドウ栽培とワインづくりが行われています。冷涼な気候のなかでも、海に近い地域と内陸部では気温や積雪が異なり、それぞれの条件に合わせた栽培が行われています。 白ワインのケルナーは、華やかな香りが特徴です。花や柑橘、りんご、桃を思わせる香りがあり、辛口では豊かな果実味と爽やかな酸を味わえます。 赤ワインでは、ピノ・ノワールも栽培されています。チェリーや赤いベリーを思わせる香りがあり、繊細な果実味と酸、細やかなタンニンを備えたワインがつくられています。 函館では、ブルゴーニュの生産者が、ピノ・ノワールとシャルドネを栽培しています。ブルゴーニュで培った経験と、北海道の栽培・醸造に関する知識を共有しながら、函館の土地に合うワインづくりに取り組んでいます。

キスヴィンワイナリーの畑で伸びる、ブドウの新梢
キスヴィンワイナリーの畑で伸びる、ブドウの新梢。photo:Kisvin Winery

FIND YOUR NEXT BOTTLE次の一本は、産地から

山梨、長野、山形、北海道。それぞれの産地で、多彩な品種と醸造方法によるワインがつくられています。いつもの銘柄や好きな品種に加えて、産地から日本ワインを選んでみませんか。

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