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2026.09.11

MEET LOCAL 9月 |サスエ前田魚店

サスエ前田魚店

“食のバトン”は、渡された。
世界が注目する「サスエ前田魚店」MEET LOCAL

店舗のシェフやバイヤーが全国各地の生産地を訪れ、
現地で出会ったつくり手の想いや食材に込められた背景を、
お客様の食卓へとつなぐプロジェクト「MEET LOCAL」。
今回登場するのは、国内外から注目を集める、
静岡県焼津の老舗魚店「サスエ前田魚店」の5代目、前田尚毅さん。
漁師、魚屋、料理人を“食のバトン”でつなぎ、魚のおいしさの可能性を追い続けてきたつくり手です。
トップレストランや、地元のお客様のために魚を仕立ててきた前田さんから引き継いだバトンを、
DEAN & DELUCAのシェフが特別な一皿に仕立てます。
9月17日にリニューアルオープンを迎える有楽町店限定のメニューとともに、
つくり手がつなぐ物語をおたのしみください。

今月のつくり手 | サスエ前田魚店

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漁師・魚屋・料理人による“食のバトン”とは?

名高いレストランや、全国のフーディーたちが熱い視線を注いでいる“静岡ガストロノミー”。その多くの予約困難店へ魚を卸すのが、静岡県焼津市で約60年以上続く「サスエ前田魚店」の5代目、前田尚毅さんです。

毎朝、ピンのなかのピンを求めて一流料理人が足を運ぶ一方、店頭には毎日のように、刺身を買いに地元のお客さまが訪れます。

「駿河湾は日本一深い湾なので、浅瀬の魚から深海魚まで幅広い魚種を扱います。さらに原魚の状態から食べられるまで首尾一貫で魚と向き合ってきた経験から、『この時期にはこの魚がいい』という的確な判断ができるんです」

そんな強みに加え、「サスエ前田魚店」の魚が絶大な支持を受ける理由は、漁師・魚屋・料理人の圧倒的な距離の近さ。前田さんは、10年以上前から月に数回、営業後に料理人と魚を研究する、通称「夜な夜な会」を重ね、料理人と特別な師弟関係を築いてきました。

「それでも漁師との信頼関係は全くなくて、10年前は挨拶もしなかった(笑)。魚を卸す店はどこも全国トップレベルの人気店になったのに、一番の要である魚のクオリティがなかなか上がらなかったんです。そこで、漁の仕方について直接交渉するため、漁師の自宅の住所をすべて調べて、10年間で102軒のお宅へ直談判しに行きました。

こうした熱意が伝わり、漁師とも少しずつ連携が取れるようになったのは4年ほど前。「夜な夜な会」へ漁師が参加する機会もあり、『このお店に料理してもらうため』、『あの店のために魚をこの状態で持ってきたい』と思ってもらえるようになったと言います。ともすれば距離がありそうな三者が、互いの仕事を敬うことで、ようやく前田さんが理想とする、漁師・魚屋・料理人による“食のバトン”がつながりました。

「漁師にも料理人にも言うんですけど、うちらの仕事は満点で30点。100点のうち、漁師・魚屋・料理人がそれぞれ30点:30点:30点で、残りの10点は、その先の食べる人が、的確なタイミングで食べてもらうことで完結できる。それを我々は“食のバトンリレー”と呼び、全員で100点を目指しています」

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DEAN & DELUCAのためだけの、オーダーメイドな“仕立て”

これまでトップレストランや、地元のお客様のために魚を仕立ててきた前田さんが、今回なぜDEAN & DELUCAにバトンを渡すのか?
その答えは、「今まで自分がやったことがない」領域への挑戦でした。

「そもそも自分は“町の魚屋さん”。サスエは地元の人たちに支えられてきたし、高級魚でなくとも“仕立て”でおいしくするのが魚屋だと思っています。さらに、レストランとは違い、惣菜は買った方がいつ召し上がるのかわからない。持ち帰ってすぐなのか、数時間後なのか、その未知数な時間まで見据えて、おいしい状態をつくることに、魚屋としても挑戦してみたいと思いました。常に型破りでいたいんです」

今回、前田さんが有楽町店のために選んだ魚は、駿河湾産の花鯛とミナミマグロのテール(尻尾)。

有名レストランでも使われる駿河湾の花鯛は、やわらかな口当たりと薄い皮、噛むほどに続く味の余韻を持ち、「きちんと仕立てれば、トップ級の味に持っていける」と前田さんが惚れ込む魚。また、マグロは、全国でも一大拠点である焼津ならではのクオリティです。

「今だから言いますけど、最初にオファーをいただいた時点では、「ないな」とお断りしようと思っていたんです。でもDEAN & DELUCAのシェフたちがつくった試作を実際に味わってみると、もうこれはお世辞でもなく、『よくやったな』と感じる味わいだった。ここまで仕上げるのに試行錯誤したのが想像できたし、『これなら魚のバトンを渡せる』と感じましたね。ミナミマグロはテールを柔らかく仕立てるだけでなく、重くなりがちなゼラチン質をさっぱりとした酸味でバランスよく仕上げていた。花鯛は試作品で感じた、あえての厚みや皮の食感、余韻までを考えながら微調整したので、DEAN & DELUCAのためだけに仕立てた、いわばオーダーメイドの魚です」

漁師から魚屋、料理人へ。それぞれが30点ずつの満点の仕事を尽くし、バトンをつないだ先に生まれる、特別なおいしさ。最後の10点を担うひとりとして、前田さんが仕立てた魚を味わってみては。

前田尚毅|サスエ前田魚店
前田尚毅|サスエ前田魚店
1974年静岡県焼津市生まれ。「サスエ前田魚店」5代目代表取締役。地元客向けの小売と飲食店向けの専門販売双方の技術を修得。独自の「冷やし」と「ひと塩」技術を研鑽し、漁師・魚屋・料理人が一丸となる「食のバトンリレー」を作り上げる。研鑽の末、多数のグランメゾンからオファーが殺到。2021年『ゴ・エ・ミヨ』にて「テロワール賞」を受賞。 辻静雄食文化賞の受賞や『プロフェッショナル』出演など、持続可能な水産業と魚食文化の発展に尽力している。

PICK UP MENU | 引き継いだ素材を、最高の一皿に

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icon MERCHANT VOICE
DEAN & DELUCA ストアシェフ有楽町
杉山 奈々子

店主の前田さんは、卓越した魚の仕立て技術はもちろん、ひと口味わえばその料理人としての深い知見とこだわりが伝わってくる方です。
今回は、まず私たちが思い描く料理のイメージをお伝えし、そこに料理への想いやブランドの世界観、季節感まで汲み取っていただいたうえで、最適な魚をご提案いただきました。魚の状態を見極め、その一尾に合わせて的確に締めることで、鮮度を保ったまま届けてくださる。そんな選び抜かれた魚だからこそ持つ味わいを最大限に引き出せるよう、私たちも一尾一尾と向き合い、創意工夫を重ねながら料理に仕立てています。
魚そのものの力と、前田さんの確かな仕事。そして、私たち料理人の手仕事。その三つが重なって、初めて生まれる味わいだと思っています。

花鯛とアーティチョークのカルパッチョ トリュフソース
花鯛とアーティチョークのカルパッチョ
トリュフソース
¥1,836税込 / 100g
魚のプロが旨みを引き出した、駿河湾産の花鯛をお造りのように味わえるカルパッチョ。花鯛本来の弾力ある身の歯ざわりをたのしんでいただけるよう、あえて厚切りに。旨みを蓄えた皮目まで味わえるよう、丁寧に仕立てました。力強く豊かな花鯛の旨みに合わせたのは、香ばしくローストしたアーティチョークと、芳醇な香りが広がるトリュフソース。素材それぞれの持ち味を生かしながら、魚料理の新たな魅力を引き出しました。
まぐろテールのオッソブーコ風トマト煮込み オッソブーコ風
まぐろテールのオッソブーコ風トマト煮込み¥1,944税込 / piece
ミラノの伝統料理「オッソブーコ」を、ミナミマグロのテールで仕立てました。香ばしく焼き上げたテールをトマトソースで軽く煮込み、とうもろこしのポレンタに重ね、セミドライトマトを添えています。仕上げには、にんにく、パセリ、オレンジの香りを生かした「グレモラータ」を。まぐろの酒盗を隠し味に加えることで、奥行きのある味わいに仕上げました。コラーゲンを含む筋までぷるんとやわらかく、魚の旨み溢れる一皿です。
MEET LOCAL 〜サスエ前田魚店〜
販売期間
2026年9月17日(木)〜10月中旬
取扱店舗
食材の入荷状況により販売期間が変更となる場合がございます。詳しくは店舗へお問い合わせください。
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