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デルーカ家のアップルパイ

DEAN & DELUCA 2018.12.06

HOLIDAY STORY 01
デルーカ家のアップルパイ

NY SoHoから始まったDEAN & DELUCAは今年、日本上陸15周年を迎えました。オープン当初から販売しつづけている商品がいつかありますが、その中でもわたしたちにとっても想い入れがあるのがアップルパイ。アメリカの家庭の味といわれ、愛され続けるアップパイはまさにアメリカの味です。

今回、15周年を記念商品として、ホリデーの期間限定で登場する「デルーカさんのアップルパイ」、そのきっかけとなったのが、創業者デルーカさんの家で食べられていたアップルパイです。奥様のHITOMIさんご本人にデルーカ家のアップルパイにまつわるスートーリーをお話いただきました。

実際にご購入いただける商品があります

お菓子作りを始めたきっかけ

私がお菓子作りを突然始めたのが、約6年前。

夫でありDean & Delucaの創設者であるジョルジョが焼き菓子がとても好きで、特にフルーツを使ったものが元々大好きでした。パリに行くときは必ず美味しいパン屋などを見つけては旬の果物を使ったタルトやペイストリーを楽しんでいたのですが、その度に「パリでは美味しいフルーツペイストリーが当然のように簡単に手に入るのに、ニューヨークでは全然見つからない」と嘆いていました。それじゃあ、私が作るしかない!と思ったのがきっかけです。

(左)この季節に多いパンプキンパイ。(右)アップルパイ。

「完璧なタルト生地」を求めて

ちなみに私はプロのお菓子職人ではありません。それどころか、お菓子を焼いたことなんて数えるほどしかなく、知識も基礎もほとんどありませんでした。そんな私がいきなりタルトを作って、成功するはずがありません。

ネットで適当に見つけてきた「簡単」が売りのタルトレシピを元に、プラムタルトをまず作りました。ほとんど手を汚さずして作れてしまったこの「簡単」タルトは、もちろん大失敗。見た目も味もかなり酷いレベルでした。そしてこの大失敗が、私の闘争心に火をつけることになったのです。

目標は、もちろんジョルジョが大満足するお菓子を作ること。そこでジョルジョが提案したさすがのアドバイスが、「いろんなものに挑戦せず、1つのアイテムに絞ってそれをまず100回作ってみよう」。彼のために作ろうと思っているのに、とんだスパルタです。

そして私が選んだのが、やはりタルト(フレンチ・タルト)でした。具材次第でいろんな種類のタルトができるので、まずはその生地を習得しようと決めました。

それからというもの、私は狂ったようにタルトを焼きました。まずは本やネットから色んな情報を集め学びました。そして完璧な生地を作り上げるために、小麦粉と油脂との割合を少しずつ変えて味比べをしたり、油脂にバターやショートニングなどを試したり、バターや小麦粉のメーカー別で比較もしました。毎日タルトを焼き、下手をすれば出勤前と出勤後にそれぞれ1回、つまり1日2回焼くことも珍しくなく、課題だった100回はあっという間に過ぎました。

こうして、私なりの「完璧なタルト生地」が出来上がったのです。

タルトの戦いが始まってから、少なくとも1年は毎日焼き続け、ジョルジョから100%お墨付きのフルーツタルトレシピもいくつか完成しました。3年前に息子が生まれてからは、時間も限られているので、週に1回と決めて焼いています。息子に安心なおやつをあげることができるのも嬉しいですし、焼くたびにジョルジョが本当に嬉しそうに食べてくれるのが、何より幸せです。

(左)四角に切った生地を使って鱗のように並べたアップルパイ。(右)細く切った生地で1つの大きなラティス状に編んだプラムパイ。

タルト生地でパイは作れなかった

タルトが納得のいく出来に仕上がってから自然な流れで作り始めたのがアメリカン・パイ。タルトと同様、フルーツなどのフィリングが入ったペイストリーなので、同じ要領で作ればいいのだと思っていました。が、もちろんそれは甘い考えでした。

フレンチ・タルトは繊細さが求められるのとは対照に、アメリカのパイといえば家庭的なお菓子。生地に対するフィリングの割合もタルトとパイでは異なり、薄く使うタルト生地を、厚みを持たせて作るパイにそのまま使うと、硬くなりすぎました。バターの風味はちゃんと残しつつも、よりホロホロっとした食感を求め、試行錯誤を重ねました。

まずは小麦粉。タルトでは、多くのお菓子と同様にペイストリーフラワー(日本の薄力粉に近い)を使っていますが、アメリカのパイはオールパーパスフラワー(中力粉に近い)が基本。オールパーパスフラワーを使わずしてアメリカのパイのテクスチャーは出せません。けれどペイストリーフラワーと比べてオールパーパスフラワーはグルテンが出やすく、つまり硬い仕上がりになってしまいます。そこで、いかにグルテンを抑えるかがポイントとなりました。水分の多いバターを少し減らして、かわりに水分の少ないショートニングを足すなどして調整しました。

また、タルトとパイの大きな違いといえば、上生地。もちろん例外もありますが、基本的にはフィリングを上下の生地で包むように焼くのがパイ。ラティス状などの模様を美しく見せるのもパイの大事な要素であり、そのために生地を寝かせる時間や、生地の扱い方にも注意を重ねました。

そして代表的なアメリカン・パイといえば、もちろんアップルパイ。一見シンプルそうに見えますが、これもジョルジョが納得のいくフィリング作りは一筋縄ではいかず、りんごの種類や切り方、合わせる材料などを変えて繰り返し焼きました。キャラメル味やバーボン味のアップルパイなども試しましたが、結局最後に行き着いたのは、この上なくクラシックなアップルパイでした。

こうして、デルーカ家のアップルパイが出来上がったのです。

(左)大小の四角を並べて模様にしたピーチパイ。(右)キーライムパイ。グラハムクラッカーを使った生地で、キーライムの皮を使って模様に。

デルーカ家での美味しい食べ方

食べるときにはバニラのアイスクリームやホイップクリームなどと一緒にいただくのがアメリカでは一般的ですが、私たちは、パイのスライスをトースターやオーブンでよく温めてから、液体のままの生クリームを少しだけかけて食べるのがおすすめです。

ちなみに我が家ではアップルパイだけでなく、季節毎の旬のフルーツを使ってさまざまなパイも作っており、作り続けるうちにパイの上生地のデザインも凝るようになりました。私の本業はデザインなので、こうして趣味のお菓子作りと仕事のデザインを重ねることができるのは、嬉しい限りです。

ところで、このアップルパイをジョルジョがいたく気に入り、毎日でも食べたいと絶賛してくれたのですが、私も仕事や子育てで忙しく、そう頻繁には焼けません。そこでジョルジョは、なんと自分のレストラン「Giorgione」でこのアップルパイを出すことに決めました。それならいつでも好きなときに食べられますからね。ペイストリーシェフが忠実に再現してくれたので、ジョルジョも大満足です。

デルーカ家で、これからも大切につくり続けていくアップルパイ。酸味をしっかりと残しつつジューシーで甘いりんごと、バターの風味が広がるほろほろ生地の相性を、この季節にぜひ楽しんでください。

(左)DEAN & DELUCAで販売するアップルパイ。(右)プラムパイ。プラムの美しい赤色とも相まってお花のようなイメージに。

Text & Photo : Hitomi Watanabe-Deluca
www.hitomiwatanabe.com

HOLIDAY DISH COLLECTION 2018
デルーカさんのアップルパイ

デルーカ家のホームメイドアップルパイを再現した15周年記念商品。
生地の配合からリンゴの種類まで、奥様の愛情がこもった秘伝のレシピは、
クリスピーなパイ生地と甘くとろけるリンゴの絶妙な組み合わせが楽しめます。

詳細・ご予約はこちら
  • 販売期間 : 12月22(土)~25日(火) *事前予約可
  • ご予約受付 : 12月16日(日)まで
  • お受け取り店舗が限られておりますので、ご注意ください