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旅するDEAN & DELUCA プロジェクト

世界各地には、その土地ごとに受け継がれてきた食文化や伝統の技、そこからうまれる美味しいものがあります。これまで出会ってきたつくり手を訪ね、まだ見ぬ新たな出会いをつなげながら、各地を旅するプロジェクト。第一弾は、日本の都として栄えた古い歴史を持ち、今も世界中の人を魅了する「京都」を旅してきました。




FOOD CULTURE OF KYOTO

京都人が愛する普段ごはん
「おばんざい」

飽食の時代だからこそ、改めて知っておきたい食材に対する想いが受け継がれています。

京の食文化を映すおばんざい

おばんざいとは、昔からの京商家など、京都の家庭で受け継がれてきたお総菜のことを指します。それは四季折々の素材の味を活かすため、出汁を基本とした味付けで、優しく滋味に富んだ味わい。おばんざいには、飾らな家庭料理ならではの良さがギュッと詰まっています。

手間をかけ、季節を味わう

おばんざいはハレの日の豪勢な料理とは違う、ケの日のごはん。メリハリをつけて、普段は無駄や贅沢をしない代わりにひと工夫することで、
素材が持つ本来のおいしさを引き出すのです。季節の食材を用いることで、目と舌で料理から季節を味わう楽しみも込められています。

エコにも通じる「始末の心」

京都の家庭料理は、食材を無駄にせず工夫を凝らし使い切ることで「始末する」料理とも言われています。 野菜の葉や皮も捨てることなく使いきる知恵と工夫が、豊かな味を作っていったのです。エコと倹約にも通じる先人の心得は、今の京都にもしっかり受け継がれています。

素材の味を引き出す調味料

食材のおいしさをシンプルに楽しむおばんざいだからこそ、こだわりたいのが調味料。 きちんと作られた調味料は、確かな味付け、深い味わいで応えてくれます。 京都で代々続く老舗の作り手さんたちに、普段から作っている夏のおばんざいレシピを教えてもらいました。

京の職人直伝の
「おばんざいレシピ」


1.うね乃さんの「だし巻き卵」

葛粉を加えて食感ふんわりお弁当にもおすすめ

【材料】
・卵…4個
・だし屋のしろだし…大さじ2
・水…100㏄
・葛粉…大さじ1/2弱
・油…大さじ1〜2
・大根おろし…適量

【作り方】
1) 卵は白身を切るようにしてよく混ぜ合わせる。
2) だし屋のしろだし、水、葛粉をよく混ぜ合わせ、1とあわせる。
3) フライパンを熱し、油を多めに入れ、充分に馴染んだらキッチンペーパーで余分な油をふき取る。
4) 2の卵液を薄く流し入れて焼いて巻き、油のしみたペーパーでフライパンを拭き、2を薄く流し入れて焼いて巻くを繰り返す。(火力は中火)
5) 巻き終えたら、巻き簾で形を整える。



2.山田製油さんの「白和え」

淡白な野菜のおかずに練りごまを加えてコクをプラス

【材料】
・長ひじき(乾燥)…10g
・きゅうり…1本
・オクラ…4本
・青しそ…8枚
・塩…適量
〈白和え衣〉
・絹豆腐…200g
・白すりごま…大さじ2
・白ねりごま…大さじ2
・白みそ…大さじ1
・てんさい糖…小さじ1
・めんつゆ(そうめんのつゆ位の濃さ)…大さじ1+1/2

【作り方】
1) 豆腐は水切りし、ひじきは水で戻して洗い、さっとゆでてザルにあげて水気をきる。
2) きゅうりは薄くスライスし、塩ひとつまみでもみ、しんなりしたら水気をきる。オクラは塩ゆでし、縦半分に切る。青しそは細い千切りにする。
3) 〈白和え衣〉の材料を混ぜ合わせ、1と2を和え、塩で味を調える。



3.澤井醤油さんの「野菜の揚げ浸し」 

あえて濃口の「二度熟成醤油」で風味際立つあっさり味に

【材料】
・お好みの野菜(赤皮栗かぼちゃ、伏見とうがらし、赤万願寺とうがらし、小なす、プチトマトなど)
・だし3:みりん1:二度熟成醤油1

【作り方】
1) 野菜を下処理して素揚げにする。
2) だし、みりん、二度熟成醤油を混ぜ合わせ、素揚げした野菜を1に漬け込む。
3) 粗熱がとれたら、4〜5時間冷蔵庫で冷やす。



4.御幸町 関東屋さんの「賀茂なすの田楽」 

味噌を短く煮るとあっさり煮込めばコクのある仕上がり

【材料】
・賀茂なす…2本
・天日塩仕込み特別吟醸白味噌…250g
・砂糖…30g
・みりん…大さじ1
・木の芽…4本
・油…大さじ4〜6

【作り方】
1) 天日塩仕込み特別吟醸白味噌、砂糖、みりんを鍋の中でよく練り合わせ、中火で沸騰するまで熱する。
2) 沸騰したらすぐに弱火にし、2〜5分よく練る。
3) 賀茂なすを半分に切り、切り口に隠し包丁を入れる。
4) フライパンに油を熱し、1の賀茂なすを並べて蓋をして弱火で焼き、焼き色がつけば裏返して再び焼き色がつくまで焼く。
5) 賀茂なすに田楽味噌をぬり、木の芽をのせる。
*賀茂茄子は輪切りにするとより美味しい。



5.飯尾醸造さんの「鶏の甘ずっぱ煮」

お酢効果でしっとり柔らかく山椒や柚子胡椒はお好みで

【材料】
・鶏もも肉…2枚
・長ねぎ…1本
・生姜(薄切り)…1片
・ニンニク(包丁の腹でつぶす)…1かけ

〈煮汁の材料〉
・純米富士酢 1 : 醤油 3 : 酒 2 : 砂糖 2の割合で、鶏が浸るくらい
*お手持ちの鍋の大きさにあわせて調節してください

【作り方】
1) 鶏もも肉の余分な脂肪を取り除き、皮にフォークで数カ所穴をあける。
2) 鍋に煮汁の材料と鶏もも肉、ネギの青い部分、生姜、ニンニクを入れ、強火にかける。
3) 沸騰したら弱火にし、蓋をしてときどき裏返しながら20分程煮る。
4) 鶏をひと口大に切り、上に白髪ネギをたっぷりと盛りつける。
*お好みでフライパンで焼き色を付けて山椒や柚子胡椒を添えても美味しい。

【酢】飯尾醸造

日本海に面し、綺麗な水と豊かな自然に恵まれた宮津に創業して123年、ほぼ変わらない製法でお酢づくりに取り組んでいるのが、飯尾醸造です。「原料の米は地元の農家さんに無農薬で作ってもらっています」と5代目の飯尾彰浩さん。10年前からは棚田で自ら米作りも始めました。人里離れた棚田を選んだのは、周囲から農薬や生活排水が流れ込まないことともう一つ「古くからの景観を守りたい」という想いがあったから。多くのメーカーが醸造アルコールを添加し生産の効率化を図っているところを、飯尾醸造では杜氏がお酒の仕込みから始め、蔵では昔ながらの「静置発酵」という製法で時間をかけ、お酢を造りあげています。
完成まで米作りから数えて2年半。黄金に輝くお酢の色は、手間暇かけて作られた証なのです。

純米 富士酢
500ml
飯尾醸造の看板商品。「米酢」と表記するための基準に対し5倍の米を使用。うまみが強く濃厚でまろやかな味わいが、料理に深みとコクを加えます。


【出汁】うね乃

うね乃の出汁づくりは、原材料を鹿児島や北海道など、顔の見える生産者から直接調達することから始まります。
鰹節は、鹿児島で水揚げされたカツオを骨抜きから燻製、整形まで、全て職人による手作業で加工。仕上げにカビづけと天日干しを繰り返すことで、「雑味を取り、旨みを凝縮させます」と4代目の釆野元英さん。削り機も、手入れや維持に手間のかかる鉄の刃金をあえて使用。「刃金にすると、鰹節の断面が凸凹に削られ、出汁の旨みが水に浸透しやすくなるんです」。今年5月には、出汁文化や本物が持つおいしさをもっと世に発信していきたいという想いから、本店に出汁の魅力が体感できるキッチンスペースを設け、リニューアル。
「出汁に正解はありません。自分だけの好みの出汁を見つけに来てください」

だし屋のしろだし
360ml
醤油やみりんに至るまで、すべて国産原材料のみにこだわり、エキス・防腐剤等は一切使わずに仕上げた万能しろだし。吸い物、炊込みご飯、一夜漬けに。


【ごま】山田製油

ごま油の製造工場があるのは、京都府南丹市のその名も胡麻という地域。焙煎、圧搾、湯洗い、静置、最後の精製では、薪を燃やし油の中の水分を飛ばすことで、雑味をなくし、艶のあるごま油ができるといいます。
炒ったごまの全体からわずか3割しか取れない一番搾りだけを商品に。しかも職人たちはコーヒーや煙草は一切控えるという徹底ぶり。
頑固者(へんこ)といわれてもいいものだけを作りたい、製造工程からはそんな思いがひしひしと伝わってきました。

ごまねりねり 白
150g
本挽きと仕上げ挽きの二段がまえの石臼で、熱がでないよう時間をかけて挽くことで、ごま本来の甘みと香り、とろけるような食感が楽しめます。


【味噌】御幸町 関東屋

江戸後期の創業以来、ほとんどの工程に人の手が入る醸造法を守っている御幸町 関東屋。例えば味噌作りに欠かせない糀作りの際、生きた糀菌を扱うため、同じ温度、水分量でも手作業でないと感じられない変化があるというのが、その理由。
「糀が発する言葉を読み取り、味噌に伝えるのが私たちの仕事」と、6代目の西田有一郎さん。100年200年と続く料亭や和菓子店にも味噌を卸している同店。「伝統の味を守るためにも、味噌の味は変えられません」

天日塩仕込 特別吟醸白味噌
500g
糀の量を多く仕込み、芳醇な香りをいかした白味噌。天日塩を使い、じっくりと熟成されています。ご家庭でも京の料亭の味をお楽しみください。


【醤油】澤井醤油本店

京町家の風情を残す澤井醤油本店には、今も現役で木桶が置かれ、醤油づくりに欠かせないもろみが発酵熟成されています。代表的な商品「二度熟成醤油」は一般には一度の仕込みで完成する醤油を二度仕込み、熟成に約2年かけることで、醤油の角が取れより旨みが増すといいます。
5代目の澤井久晃さんは「もろみ文化を残したい」と商品開発に取り組み、新しい味も提案。作り手の真摯な思いがあってこそ、伝統の技が未来へと受け継がれていくのです。

二度熟成醤油
100ml
一度出来上がった生の醤油に、再度、麹を仕込んで二度熟成発酵する手間暇かけられた逸品。凝縮された深みのある味わいが食材のおいしさを引き立てます。


FIND THE DELICIOUS OF KYOTO

京都の美味しい野菜

独特の形と色、味わい…京都ならではの気候と良質な水が育んだ京野菜。京料理を支える京野菜の歴史と魅力、そして京野菜の今に迫ります。

京野菜とは?

実は「京野菜」に明確な定義はなく、一般に昭和63年に京都府が定めた「京の伝統野菜」が京野菜として認知されています。
現存する京の伝統野菜は35品目。多彩な西洋野菜が輸入、栽培されるようになってもなお、京都で伝統野菜が栽培され続けている理由-それは、京都は伝統を重んずる気風が強く、愛着のある古い野菜を栽培し続けたからとも言われています。そのため野趣あふれる形で、一般野菜と比べても滋味に富んだものが多いのが特徴です。

京都の歴史と京野菜の関係

豊臣秀吉が築いた聚楽第。その堀跡に埋めたゴミの中にごぼうがあり、それが巨大に育ったことから堀川ごぼうの栽培が始められたこと、八坂神社では胡瓜の切口と紋章が似ていることから、胡瓜を食べると不幸を招くと伝えられ一部の人は祇園祭の時期は食べないこと。また、ずいき(里芋の茎)や新穀、果物、麩などで作られた神輿が登場する北野天満宮の「ずいき祭」というお祭りもあり、京都の歴史に京野菜が深く関わっていたことが分かります。

四季で楽しむ京野菜

これから旬を迎える京野菜のトップは、毬のように美しい形をした賀茂なす。おばんざいレシピでもご紹介した「賀茂なすの田楽」は、京都の夏のごちそうともいえる一品です。晩秋には、鮮やかな紅色と甘味が特長の金時人参、冬には、大きくて丸い聖護院だいこんが出回ります。
温かな「ふろふき大根」は底冷えのする京都で何よりホッとできるおばんざい。春には筍を使った若竹煮や筍ご飯など、旬の京野菜が食卓に彩りを添えてくれます。

新鮮な野菜を求めて

今、京都では、新鮮な野菜が買える朝市やマルシェ、有機野菜の八百屋などが急増中! わざわざ行きたい京都の「野菜スポット」をご紹介。

最近、小さな作り手が集い開催される「マルシェ」が京都の街角に増えています。京野菜を育んだ歴史的背景から見ても京都人の野菜への意識は高く、今また安心して野菜が買える場所を求める人が増えているのかもしれません。
その火付け役のような存在となったのが「大原ふれあい朝市」です。京都駅からバスで北へ約1時間のところにある「里の駅大原」には朝から大勢の人が訪れ、人気の野菜は7時前に売り切れてしまうほど。
京都では大原の野菜を使った料理を提供するレストランも多く、予約の取れない店の料理人も訪れます。電話やFAXで発注可能な時代に料理人がわざわざ大原へ出向くのは、生産者から想いのこもった野菜を受け取りたいから。
顔を合わせることで生まれる安心感と温もりがさらなる魅力となってより一層人が集まってくるのかもしれません。
マルシェの輪はお寺や神社、京都府庁内などでも。作り手から直接購入できる野菜の味は、きっと格別なはずです。

大原ふれあい朝市
開催日:毎週日曜日(年始休有り)
時間:6:00-9:00 住所:里の駅大原構内西南


マルシェと同じくらい最近、京都市内でよく見かけられるようになったのが、オーガニック野菜を扱う八百屋さん。
その中の一軒、「坂ノ途中soil」は、「環境負荷の小さい農業の普及」をコンセプトにしたお店で、京都近郊の農家さんと提携し、自然の中の豊かな土壌で栽培・収穫された野菜ばかりを置いています。
店頭にはナッツやお餅といった加工品や無添加の調味料、おやつなどもスタンバイ。採れたて新鮮で味も香りも濃い、とっておきの野菜と出合えるお店です。

坂ノ途中soil
営業時間:10:30-19:00
定休日:毎月第2月曜日・毎週火曜日・年末年始
住所:京都市南区西九条比永城町118-2

昔ながらの野菜宅配スタイル

生産者が直接野菜を配達する「振り売り」

京都の一部の地域では、今でもときどき軽トラックに乗って野菜を販売する姿が見られます。これは農家が自分の畑で栽培した農作物や花などを運び販売して回る行商の一つで、「振り売り」と言われています。
平安末期以降の文献に登場するほど古くからあったスタイルで、幕末には天秤棒、近代以降は大八車が利用されていたことも。振り売りでは、新鮮な野菜が購入できるだけではなく、「この野菜はお浸しにしてもおいしいえ」など、作り手と直接やりとりができるのも魅力。
農家によって野菜の味が異なり、それぞれにお得意さんがいて、買い手の好みも熟知して訪問することも多いそう。


参考文献:髙嶋四郎 (2003) 歳時記『京の伝統野菜と旬野菜』 トンボ出版
川那辺行繁(2006)『京都 旬のおばんざい』 生活情報センター


茶と菓子で体験する京の伝統

一保堂茶舗


1717年に創業し、京都に本店を構える一保堂茶舗。近年、日本茶がコンビニやスーパーで気軽に購入できるようになった一方で、「葉っぱ選びからお茶を楽しむ文化を伝えたい」と茶葉の販売だけではなく、楽しみ方も積極的に提案しています。茶葉の量、お湯の温度、待ち時間など、淹れ方によっていろいろな表情を見せる日本茶。その奥深さを伝えるスタッフ育成に力を入れているほか、「茶葉の魅力を伝えたい」と、ペットボトルのお茶や抹茶スイーツは作らないというポリシーを貫いています。併設の喫茶室「嘉木」は自分でお茶を淹れて楽しむスタイル。
今なら夏にぴったりな冷たいお茶の淹れ方も提案。自分好みの茶葉選び、淹れ方を見つけて、日本茶を味わう+急須でお茶を淹れる豊かな時間を楽しんでみてはいかが。

お店があるのは京都御所の南側、骨董品を扱うお店も数多く並ぶ寺町通り。
店頭では、気になった銘柄を試飲しながら茶葉を選ぶことができます。話を聞くことでお茶との距離がグッと縮まるはずです。

営業時間:9:00-18:00(喫茶10:00-18:00)
定休日:正月
住所:京都市中京区寺町通二条上ル

茶寮 宝泉


下鴨の閑静な住宅街に本店を構えるあずき処 宝泉堂。店主の古田泰久さんは、最上質の小豆や黒大豆を使うことにこだわりながら、「短時間でゆでると小豆がつぶれて本来のおいしさが引き出せない」とじっくり手間をかけ、粒がほどよく感じられる粒あんづくりに取り組んでいます。「砂糖の量を控えて賞味期限が短くなったとしても、大量生産するより優れた材料を用いて、京都の歴史さえも感じさせる本物の和菓子を届けたい」と話します。大正期の家屋を「茶寮 宝泉」としてオープンさせたのも、一番おいしいタイミングで和菓子を提供したい、さらにはグで和菓子を提供したい、さらには「京文化を映す邸宅や美しい庭を残したい」という想いがあったから。
京菓子に込められた想い、ぜひ茶寮で触れてみてください。

下鴨神社内にある休憩処「さるや」の甘味も宝泉堂が手掛けています。
江戸後期に途絶えていた由緒ある神撰「申餅」を140年ぶりに復活させた他、夏にはかき氷やあずきアイスを提供し評判です。

営業時間:10:00-17:00
定休日:水曜日、木曜日(祝日の場合、翌平日休み)
住所:京都市左京区下鴨西高木町25



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